
登記識別情報
抵当権の効力を所有権の全部に及ぼす旨の変更の登記をした後,この抵当権の登記の抹消を申請する場合に提供すべき登記識別情報は、この抵当権について設定の登記がされた際に通知された登記識別情報のみで足りる。(平成17年5月26日民二第1918号民事第二課長回答)
●登記義務者の権利に関する登記済証とする旧不動産登記法60条2項の規定により登記済みの手続がされた保証書については、不動産登記法附則6条による指定がされた後に、従来の取扱い(昭和39年5月13日民事甲第1717号民事局長通達)が可能である。(「登記研究」第695号201頁)
注 オンライン指定庁においても、登記識別情報に代えて、登記済保証書を便宜、提出することができる。
●登記済保証書は、以後所有権に関する登記以外の権利に関する登記済証として使用することができる。(昭和39年5月13日民事甲第1717号民事局長通達)
●被相続人名義への所有権の移転の登記が未了のまま被相続人が死亡したため、相続人から当該登記の申請がされた場合に,同登記が完了したときは,申請人である相続人に対し,登記識別情報を通知する。(平成18年2月28日法務省民二第522号民事第二課長回答)
●権利者である未成年者の法定代理人が代理して所有権移転登記の申請をした場合、登記識別情報は法定代理人に通知する。
●株式会社が不動産の所有権を取得し、所有権移転登記を支配人が申請した場合は、支配人に対して登記識別情報が通知される。
●不動産登記法第21条により、登記識別情報は、「その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合」に「当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知」することになっているので、承役地の登記記録には地役権設定登記(地役権者の住所、氏名は登記されない)、要役地の登記記録には要役地地役権の内容の登記がされるだけの地役権設定登記については、登記識別情報は発行されない。地役権者は登記名義人として登記されないからである。
●代位による相続による所有権移転登記などは従前も所有権の登記済証が交付されなかったのと同様に、登記識別情報についても通知されない。
●根抵当権の極度額の増額変更、抵当権の効力を所有権全部に及ぼす場合については、登記識別情報は通知されない。
●相続による所有権移転登記も、申請人にならない共有者には登記識別情報が通知されない。
●地役権設定登記の場合は、地役権者は登記名義人として登記されないことから、登記識別情報は通知されない。
●順位譲渡、順位変更についても登記識別情報の通知はされない。
●変更登記、更正登記、抹消登記等の場合は、原則として新たに登記名義人となる登記ではないため、登記識別情報の通知はなされない。
●所有権更正登記等については、その内容により新たに登記名義人となる場合等、例外として登記名義人に登記識別情報が通知されることがある。
●所有権の移転の登記、抵当権設定仮登記を連件で申請する場合において、当該仮登記が規則第178条の「登記識別情報」を提供できない場合に該当することを理由とするものである場合にも、仮登記の申請には、もともと登記識別情報、登記済証の添付は不要であることから受理される。(登記実務)
●所有権保存登記の申請と同時にする根抵当権設定の仮登記の申請は受理できる。(「登記研究」第395号94頁)
.●登記識別情報を提供して甲から乙へ所有権移転登記をした後であっても、甲の登記識別情報は失効せず、有効証明は可能である。(登記実務)
●登記識別情報を提供して甲から乙へ所有権移転登記をした後、錯誤により所有権移転登記を抹消して、第三者Cに所有権移転登記をする場合、最初の甲の登記識別情報を提供する。(登記実務)
●登記識別情報の有効証明は、登記名義人ごとに複数の請求が可能である。(登記実務)
●被相続人の登記識別情報を共有する共同相続人は、そのなかの1人からでも「保存行為」として登記識別情報の失効の申出をすることができる。
●登記識別情報の失効の申出をする場合、印鑑証明書と失効申出のみの委任状とも原本還付はできない。失効申出の手数料は不要である。
●破産管財人が破産者所有の不動産を売却して、裁判所の許可を得たことを証する情報を提供して、その所有権の移転の登記を申請する場合は、登記義務者の登記識別情報を提供することは要しない。
●相続財産管理人が権限外行為につき家庭裁判所の許可を得たことを証する情報を提供して、相続財産である不動産について、相続財産法人を登記義務者とする所有権の移転の登記を申請する場合は、登記義務者の登記識別情報を提供する必要がない。
●債権譲渡による抵当権の移転の登記がされている抵当権の登記の抹消を申請する場合、抵当権の移転の登記がされたときに通知された登記識別情報を提供すれば足り、抵当権の設定の登記がされたときに通知された登記識別情報を提供することを要しない。